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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog

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海鳥の影幾重にもひらめきぬ秋の夕陽を抱く入江に

ふと思ひついて、翼を腹に座らせてみた。

最初、こちらを向いて座らうとしたのを、足の方を指差してあちらを向かせると、嫌な予感がするのか翼はそつと眉をひそめた。

そろりと俺の胴を跨いで、シャツ一枚だけを身に着けた裸の尻をこちらに向けたまま、翼は振り向いて俺を見る。俺は右手の親指と人差し指で輪を作り、クイクイと上下に振つた。すると今度は、はつきりと翼の眉間に皺が寄つた。

セックスの最中ならそんなに嫌がる事も無いんだけど、素面でやるのは抵抗が有るらしい。

俺は手を延ばして翼のウエストから腰を撫でた。微かに翼の視線が揺れる。
俺はその視線を捉へたまま、ゆつくりと撫で下ろして尻の肉をギュッと掴んでやつた。
驚いたのか、痛かつたのか、翼の上半身がビクリと揺れる。
爪を立てないやうに指先に力を込めると、翼は諦めたのか顔をあちらに向けた。

俺のぺニスは行為への期待に、既にはち切れんばかりになつてゐて、それを見た翼は肩越しにちらとこちらを見てから、小さく肩で溜め息をついた。

翼の指先が、俺のぺニスに触れた。
根元の辺りを軽くなぞつてから、手のひらで掬ひ上げるやうに握り込む。
指の腹がカリを弾くやうに撫でて、危うく声が出さうになつた。
翼は亀頭を包むやうにして手のひらに擦りつけたり、軽く握つたりしてゐたけれど、鈴口に先走りが滲んでくると、親指の腹でそれを亀頭に塗りつけ始めた。

俺は目を閉じて、ぺニスに与へられる直接的な刺激と、身体の内側からじわじわ沸き上がる快感とを味はつてゐた。
自身が愛撫をされてゐるのに、頭の中は俺に責められて悶へ泣く翼の痴態で埋め尽くされてゐた。

俺は欲望を抑へ切れなくなり、身体を起こして翼の腰を抱いた。
態勢を崩して慌てる翼の身体を抱き締めて首筋や肩の後ろに口づける。胸をまさぐりながら股間に手を入れると、翼は突然、身を捩つて逃げた。

枕を掴んで盾にしながらこちらを睨む。
険しい目付きとは裏腹な怯へた態度が、ますます俺の欲望を煽り、押さへつけて何とかしてしまはうかと思つたけれど、翼の表情に只ならぬ物を感じて思ひ留まつた。

「おいで。」

俺は笑顔を作つて柔らかく話かけた。ところが翼は身体を固くして、指先は枕を引き千切らんばかりに食い込んでゐる。
そんなに恐かつたのだらうか。こんなのはおふざけの内だし、しつこくしたつもりもない。

これまでの恋の相手なら、ただ、快楽のみを優先できたけれど、翼だとそれが出来ない。
可哀想とかぢやなくて、嫌はれたくないんだよ、俺は。

俺はそつと逃げられないやうに近付き、仕方なく枕ごと翼を抱き寄せた。
髪を撫でて、背中をそつと抱くと、枕を抱いたまま、翼が寄り添つてくる。

「ごめん。」

翼は首を振つて俺を見つめた。枕は抱いたまだ。
俺は枕を指差した。すると翼は、枕を離して足元へ押しやつた。

翼は空いた手で俺の手のひらを掴むと、ひとつづつ文字を綴り始めた。

俺は言葉を失つて、ただ、深く頷いた。

『おもちやにしないで』







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  1. 彼との事