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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog

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話し合ひをしました。(加筆訂正いたしました。)

大家さんの息子さんと話し合ひました。
準備が出来ましたと云ふ事で、大家さんの部屋へ行くと。なんと、他県へ嫁いでゐる娘さんまで来てゐました。

要するに、息子である自分が傍にゐながら、他所の息子さんに面倒を掛けて申し訳ないと云う事でした。
更に、此方から物や金銭の持ち出しが有る場合はその都度支払ふか、先に幾らか預けておきたい等々。

正直、困つた事になつたと思つたけど、息子さんの気持ちは痛い程判る。
年老いた親を持つ子供の気持ちは俺も同じだ。

先づ、金の事はお断りした。
以前の事が有るので、一瞬、あちらも身構へたけど、その事はもう気にしてゐないと云ふ事を、丁寧に伝へた。
それから、俺や朋也が普段からどんなにお世話になつてゐるかを話した。
お互ひ様の、ご近所さん生活なのです。

「本音を言へば、帰つて来て欲しいのですが…」

少し淋しさうに息子さんが言ひます。その言葉に頷く俺を、大家さんが申し訳なささうに見てゐる。

「このままではいけませんか。他人の私が言ふのもなんですが、誰が迷惑してゐる訳でもないし、お父様が穏やかに暮らせたら、あなたも安心ではありませんか。」

お互ひに感謝しながら生活できる事が有り難いのだと、俺は息子さんと大家さんに言つた。
それを聞いて息子さんは暫く考へてゐたけれど、やがて顔を上げた。

「それでは、お言葉に甘へさせて頂きます。その代はり、何か有つたら直ぐに報せて頂きたいのですが。」

心得ましたと俺が返事をすると、大家さんはホッとしたやうに口を開いた。

「心配掛けて悪いとは思つてる。でも、楽なんだよ、ここの暮らしがよお。」

大家さんは肩越しに仏壇を振り返つた。

「いつかあつちへ行くまで、おつかあと二人で、静かに暮らしたい。」

息子さんが心から納得してゐない事は、その複雑な表情を見れば明らかだつたけれど、本人に、それが幸せなんだと言はれたら仕方ないだらう。

と言ふ訳で現状維持。
“老い”は他人事ではないと、改めて考へさせられた一日だつた。



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