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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog

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言葉責め。

田舎のラブホつて何処もあんなに安いのか。
午前中に入つてフリータイムを利用したら、3500円でした。

時間もたくさん有るし、風呂も広いしと云ふ事で、翼を拝み倒して一緒に風呂に入らせて貰ひました。

赤ん坊を風呂に入れるやうに、膝の上に抱つこして風呂に入るのが好きなんです、俺は。

温めに張つた湯の中で翼を抱き締めながら、身体を撫でたり肩に唇を押し付けたりしてゐると、ふと翼が背中を預けてきた。
俺の肩に頭を乗せて、身体の力を抜く。
湯の中でも翼の体温がはつきり感じられて、その事がとても不思議な事のやうに、貴重な事のやうに思へた。

風呂から上がつて広いベッドに寝転びながら、俺はゆつたりとした気分で、俺の隣でレンタルビデオのメニューを広げる翼を見てゐた。

「本当に可愛いよな、おまへ。」

お目当ての作品のタイトルを書き終へ、翼が差し出したノートにさう書いてやると、翼は呆れた顔で首を傾げた。

「可愛いし綺麗だ。」

「すつげえ好き。」

重ねて大好きだと言つてやると、翼は耐へられないと云ふ顔をして俯いてしまつた。
その顔を覗き込んで、更に言ひ募ると、今度は訝しげな表情になる。
俺は仰向けに寝転んで、翼の手を引いて自分の上に乗せた。

「キスして。」

訝しげな表情のまま、翼は俺にキスをする。

「好きだ。」

顔を上げるのを待つてさう言ふと、翼は羞じらふやうに目を伏せた。
それから指先で確かめるやうに俺の唇を撫でて、目を伏せたまま、もう一度、今度は自分からキスをしてきた。

薄く開いた唇を舌先で割り、歯の裏側や上顎、頬の内側等を丁寧に舐めてゐると、翼が俺の胸を手のひらでトントンと叩いた。

「どうしたの?」

唇を離すと翼は物言ひたげに俺を見つめた。

「翼。」

俺は身体を起こして、ゆつくりと翼の身体を横たへた。

「好きだよ。」

俺の言葉に泣きさうな顔で頷く翼は、本当に可愛らしくて、これも一種の“言葉責め”になるのだらうか等と、不埒な事を考へてしまつたりしたんだけど、甘い囁きに蕩けてしまつたのは、どうやら俺も同じだつたらしい。
まるで初めての子を抱くやうに、丁寧でまだるつこしい行為を思ひ返すと、自分でもなんだか少し可笑しくなる。


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  1. 彼との事