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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog


忘られぬ写真の海や九月尽

小さい頃、俺は飼つてゐた兎の背中にママンが用意してくれた人参スティックを括り付け、お弁当と宣つてゐたさうです。

どうやつて食ふうんだ。

箪笥の抽出しを階段のやうに引き出し、登つて箪笥を倒したり、傘を持つてジャングルジムから飛び降りたり、幼い日の俺はそこそこヤンチャだつたやうです。

しかし、本人にはそんな記憶は全く有りません。
親戚のをぢやをばから、しつこくしつこく聞かされた事です。
従兄弟達も同様で、押入れの襖を内側から蹴破つただの、幼稚園の池を埋めようとしただの、結婚式でバラされてゐました。

親父もママンも地元なので、実家の周りは身内まみれです。何かやらかせば、その日の内に皆が知る事になりました。
子供の頃、特に思春期の頃は、それが嫌で嫌で堪りませんでした。

でも今は、それすらも懐かしく思へるやうになりました。
をばが癌で亡くなり、従兄は結婚して北海道へ行きました。をぢが認知症になつて施設に入り、従姉は家を始末して旦那さんの実家の近くに家を建てました。

昔はよく、親戚一同で葡萄狩りや潮干狩りに行つたり、バーベキューだの花火だのと何処かの家に集まつたりしたものですけれど、今は冠婚葬祭の時くらゐしか集まらなくなりました。
どの家も代替はりをして、気楽に行き来の出来ない雰囲気の家も増へました。

煩はしいとさえ思つてゐたものが、もう取り戻す事の出来ないものになつてしまひました。

自分の“ルーツ”を考へるやうになつたのは、やはり歳のせいなのかなあ。
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