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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog

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無意識の意識。

ちよつと、嫌な事がありました。
嫌な、と言ふのは簡単なんだけど、もつと複雑な思ひがありました。

翼はご近所の年配のご婦人に頼まれて手話を教へてるんだけど、皆さん、それは熱心に通つて来て下さるさうな。

先日、一人の生徒さんの紹介で、新しい人が入つたんだけど、その人も他の人達と同じくらゐの年代の女性で、2回目のレッスンの後、紹介してくれたご婦人に、

「〇〇さんて偉いわ。」

と声を掛けた。

「偉いなんて、どうして?」

ご婦人が聞くと、その女性は、

「だつて、障碍者に理解が有るつて言ふか、役目を与へてあげてる訳でせう?一種のボランティアよねえ、これも。」

と言つたので、ご婦人は、え、と云ふ表情で、固まつてしまひました。他の生徒さん達も、戸惑ふやうにその女性を見ました。
翼はレッスンの教材に使つた雑誌やノートを片付けてゐたんだけど、場の空気が微妙に変はつたのを感じて顔を上げました。すると、生徒さん達にお茶を出してゐた翼のお母さんが、翼に手話で、後でねと言つたさうです。

微妙な空気のまま皆でお茶を飲み、その日のレッスンは終はりました。
そしてその夜、ご婦人が翼を訪ねてきました。
皆が帰つた後、お母さんから事の次第を聞いてゐた翼は、不愉快なやうな、悲しいやうな気持ちで、ご婦人を迎へたさうな。

「変な事言つちやつて、ごめんなさいね。」

ご婦人は女性の言葉を、まるで自分が言つたかのやうに、翼に謝りました。自分が紹介した手前、自分に責任が有ると思つたのでせう。
そして、自分や他の生徒さん達は、決して翼に対してボランティアをしてゐるとは思つてゐない事、寧ろ、ボランティアで手話を教へて貰つてゐるのだと云ふ事を話しました。

『あなたは何故、手話を習ひたいと思つたのですか?』

翼が尋ねると、ご婦人は、

「英語が話せたら外国人と話せるでせう。手話が出来たら、耳が不自由な人と話せるでせう。だからです。」

翼はご婦人の屈託のない明るい笑顔と言葉に、たちまち胸の支へが取れたさうな。

俺は件の女性がことさら差別的だとは思ひません。ただ、差別は意識してする場合と、無意識にしてしまふ物があるのだと思ひます。
また、差別してはいけないと思ふ余り、逆に差別になつてしまふ事もあります。

人はみんな違ふから、その違ふと云ふ事実だけを見られたら良いと思ひます。
手を貸せる人が、手を貸して欲しい人に手を貸す事が、当たり前の世の中になつたら良いと思ひます。



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施設の虐待行為について。

ニュースになった下関市の障碍者施設。虐待行為をする職員は異常者だ。相手が誰であれ、日常的に暴言、暴行、暴力を行える訳だから、精神異常なのだろう。
そう云う人間は入院治療をするか、刑務所に入って欲しい。街中をうろうろされたら堪らない。

以前にもこの記事に書いたけれど、虐待を無意識にしている人もいる。
支援とか差別とか言う前に、自分の目の前に居るのは、自分と同じ“人間”だと云う事を忘れないで欲しい。
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それぞれの障碍受容。

あるサポート施設に居る時、自閉症の男の子が話し掛けてきた。

「これ、僕。」

彼、Kくんが手にしていたのは、漫画『光とともに…』だった。

「Kくんは光くん。」

俺が頷くのを見届けて、彼は表紙を開いた。
それから慎重にページをめくり、登場人物と部屋の中に居る子供達を、代はる代はるに指差していった。

「うん。そうだね。そうだ。」

驚いた事に、それ等の登場人物と子供達の特徴は、ほぼ一致していた。
漫画には障碍について細かく書いてある訳ではなく、あくまでも彼が感じた事だ。
職員さんに聞くと、少し前から熱心に読んでいたらしく、自分の小さい頃と重なるエピソードが出てくると、職員さんに見せに来たそうだ。

「こう云うのも、“障碍受容”って言うのかな。」

職員さんは言った。

彼の家にはお父さんの方のお祖母ちゃんがいて、このお祖母ちゃんが孫の障碍を受け入れられず、両親と衝突する事も少なくなかった。
施設に電話をしてきて、障碍を治す病院を紹介しろと言ったり、孫に良くないから他の障碍児と遊ばせないでくれと言ったりした事も有って、ご両親にも職員さん達にも悩みの種だった。

「お祖母ちゃんも、いつか判ってくれたらいいね。」

職員さんはとても優しい目をした。

「障碍は治らないけど、治さなくても良い物なんだよ、って。」






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支援を仕事にすると云う事。

2年前の事。とても恐ろしく、腹立たしい話を聞きました。
ある障碍者支援の施設で働いている方から聞いたのですけれど、その施設の所長さんが、施設の忘年会でヘルパーさんやパートさん達に、

「言う事を聞かなかったり、騒いだりする利用者さんはね、怒鳴ったり、恐い話をして脅かして、おとなしくさせるといいのよ。」

と言っていたそうです。利用者さんと云うのは、知的や情緒に障碍のある人達です。
要は脅かして気分を落ち込ませて静かにさせると云う事らしいのですけれど、それを一つの有効な手段として、ヘルパーさんやパートさん達に教えていたらしいのです。

「“落とす”って言うのよ。」

彼女は当たり前の様に、そう語ったそうです。

その施設は俺もよく知ってると言うか、実家の近くに在って、そこそこ有名な施設(支援団体)なんだよね。養護学校の高等部が実習に行ったりもしてる。
その話を聞いた時には、驚きと怒りで言葉も出ませんでした。

俺は直ぐに養護学校へ子供を通わせている知人と連絡を取り、その施設へ実習に行っている子の保護者の方から話を聞いて貰いました。
すると、耳を疑う様な話が返ってきました。

「騒がしい人は駄目。」
「協調性の無い人は駄目。」
「素直でない人は駄目。」
「他の利用者さんの迷惑になるから。」

実習の反省会で、その子のお母さんはそう言われたそうです。
実習に行っていた本人は、初日からおどおどしていたそうで、お母さんは反省会の日にその理由が判ったと知人に話したそうです。

“他の利用者さん” って、静かで団体行動が得意で、何でも言う事がを聞く人の事だろうか。
知的・情緒障碍のある人で、そんな人は少ないと思うんだけどね。
そう云う利用者さんばかりなら、さぞかし仕事は楽だろうけど、楽をする為にやってるんだとしたら、支援を仕事にするのは止めて欲しい。

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風に乗る日。

「○○さん?○○せんせ?」

バス停でバスを降りた俺に駆け寄る若い女性と、待ちなさいと慌てた声で後を追ふ母親らしき女性。

「せんせ!せんせ!」

俺の両手を取り、ブンブン揺らす笑顔には見覚へが有つた。

「●●ちやん、元気だつた?」

抱きついてこようとする彼女を抑へて顔を覗き込むと、長い睫毛に縁取られた瞳がニーッと細くなる。
俺は記憶の中の少女より、ずいぶん背の高くなつた彼女と腕を組んで、息を切らせてゐる女性に挨拶をした。

「ご無沙汰してます。●●、今、働いてるんですよ。」

その女性、彼女のお母さんの言葉が終はらない内に、彼女が話し出した。
養護学校を卒業後、某企業の特例子会社に入社した事、仕事の内容や会社の約束事等、それは楽しさうに話してくれた。
ひとしきり話すと、彼女は肩に掛けてゐた鞄からマグを出して飲んだ。
熱中症対策とかで、それも会社の約束事なのださうだ。

「夢、叶ひましたね。」

思へ出話を幾つかした後、俺はお母さんに言つた。
働いて給料を貰ひ、それを自分の為に使ふと云ふ生活をさせてやりたいと、いつも言つてゐたから。

「あの子、頑張つたもの。今も頑張つてるし。」

さう言ふお母さんの笑顔には、たくさんの思ひが詰まつてゐるやうな気がした。

ジブリのアニメが好きな彼女は、今でも『風の谷のナウシカ』の歌が大好きで、よく歌つてゐるさうだ。

彼女の心が、いつまでも風のやうに自由で在りますやうに。


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