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帆を張るやうに胸を張れ

同性愛者のサラリーマンのblog

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春光の転がつてゆく富士見坂

俺は美味い物は大きな一口で食べる。
逆に翼は、一口が少な目だ。
少しずつ食べれば、それだけ幸せが長く続くと云ふ事らしいのだけれど、口一杯に頬張るのも、なかなか、良い物だと思ふんだけど。

口一杯に、喉まで咥へ込んで、たつぷり味はふ。涎を垂らしながら、無我夢中で貪る。

美味い物の食べ方つて、さう云ふ物だよね。
  1. 彼との事
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夕風や手繰らるるまま萩の花

背中から抱きつかれるのが好きです。

長年、寝間着にスウェットの上下を愛用してゐたのですけれど、最近、翼の勧めでパジャマを着るやうになりました。
上着を羽織らないと、もう、朝晩は足元や肩先が寒いくらゐですけれど、その背中に来る温もりが堪らない。

元々、薄い布越しの体温が好きなんだよね。シャツだとか、シーツだとか。
抱く事が圧倒的に多いから、抱かれる事が新鮮なのかもしれないんだけどね。

ただ、お返しは、なかなか、させて貰へません。それが少し不満です。



  1. 彼との事


知事選やナンプラーにて冷奴

一緒に暮らし始めて驚かれた事は、俺の豆腐好き。酒のつまみにも、飯のおかずにも、取り敢へずこれが有れば良いと言ふくらゐ、好き。
一丁くらゐは軽く食べられる。湯豆腐や鍋物は一丁以上、食ふんぢやないかな。
昔は絹ごしが好きだつたんだけど、大山で木綿の美味いのを食つてから、豆腐の味に目覚めた気がする。

翼も豆腐は好きだけど、ここまでではない。
でも、最近は買ひ物に行くと、真つ先に豆腐を買ふやうになつた。牛乳や卵と同じに、補充する感覚らしい。

牛乳、卵、豆腐、納豆、ヨーグルト、シリアル等々、いつも買ふ物の種類だけではなくて、各々の底値やら、特売の曜日やらをノートにつけてゐて、買ひ物の途中で考へるやうな事が有ると、ノートを見たり、書き込んだりしてゐるんだよ。

本当にまめで、見る度に感心するんだよなあ。
なんて可愛…賢いんだらうつてさ。
因みに家計簿もつけてるんだぜ。偉いだらう。

ところで、先程、Amazonから段ボールが届きました。
胸にギュッと抱き締めて小躍りしてゐるところを見ると、あれだな、エルヴィンさんのグッズだと思はれます。

先週も何か来てたよね。

いいんだけどさ、別に(´・ω・`)












  1. 彼との事


朝食の卓に小さく諍ひて君のゐるこの初夏を愛せり

良い歳をした大人二人が、一緒に暮らしてゐる訳ですから、日々、発見が有り、日々、衝突も有る訳です。
朋也は俺から見ても、本人からしても、子供の範疇に入りましたから、さう、大変ではなかつたやうに思ひますけれど、翼は立派な大人ですからね。大人同士、譲れない事も有りまして。

でも、それも二人でゐるからこそ出来る事なのです。だつて、一人ぢやあ言ひ争ひも出来ないでせう。

そんな事を考へてゐたら、いつの間にか、翼の方が正しいと云ふ事になつてゐました。

(´・ω・`)

会社の同僚で、俺に恋人がゐる事を知つてゐる奴がゐて(相手が男性だと云ふ事は知りませんけれど)、恋人でゐられるなら、そのままでゐる方が良からうと言ひます。因みに既婚。
無理矢理、見合ひさせてまで、結婚させようとする人(叔母と常務Aだ。)もゐれば、かう云ふ人もゐる。人生いろいろ。

結婚、したいよ。出来るもんならね。
恋人とも、家族とも違ふ、“夫婦”と云ふもんに、俺はなつてみたい。



  1. 彼との事


いいふうふの日。続き。

宿泊した旅館をホテルと表現したのは、規模だけではなく、設備面からの印象もあります。
居間の隣に襖で仕切られた小さめの座敷が有つて、そこが寝室になつてゐたんだけど、布団を乗せたロータイプのベッドが二つ、くつつけて置いてありました。
当然、中居さんが布団を敷きに来てくれるもんだと思つてたんだけど、これは良い。

着いたら直ぐにでも、「どうぞ!」つて事ですよね。

襖を開けて、珍しさうに覗き込んでゐた翼の背後に立つと、直ぐ様、襖を閉められてしまひました。下心たつぷりの何かが俺から溢れてゐたのでせうか。
長距離乗ると何故か元気になる俺は、そのまま雪崩れ込んでも良かつたんだけど、足湯でテンション上がつた翼を押し倒すのは大変さうなので、早々に諦めました。

いつものやうに、昼食は蕎麦をと思つて探してゐたら、翼も俺も、物凄く好みな建物を発見してしまひました。四角い箱のやうなシンプルなラインと、モノトーンの外壁に看板。近寄つて見ると、どうやらイタリアンの店らしい。

『チャイニーズかと思つた。』

俺もさう思つたんだよね。何故、さう思つたのかは判らないんだけど。
とにかく気に入つたから、昼はそこで食ふ事のしました。
俺はトマトの冷製パスタ、翼はチーズリゾットを食べたんだけど、冷製パスタはトマトの甘さとバジルの香りと、パスタのツルツルとした舌触りが絶妙で、一口食べるごとに楽しめました。翼のリゾットはサービスでチーズを追加して貰へるやうになつてゐて、チーズの大きな塊と、これまた大きなおろし金に大喜びでした。
サラダも美味かつたなあ。
レタスを千切つて生野菜を刻んだやうなサラダではなくて、色とりどりの小さな葉つぱがたくさん盛つてあつて、甘味、辛味、苦味をそれぞれに楽しめました。ドレッシングは何を使つてゐるのか聞いたら、岩塩と黒胡椒、オリーブオイル、レモンの搾り汁を、混ぜないでかけてあると云ふ事でした。
野菜を噛んだ時に、ふはりと花のやうな香りがするんだけど、それだけは「隠し味と云ふやつですね。」と笑つて教へてくれませんでした。

ワインも頼まうと思つたんだけど、前回、寝てしまつて残念な事になつたから、昼から飲むのは止めました。

せつかくホテルが「どうぞ!」つて言つくれてるんだからさ。

ホテルに戻つてから大浴場に出掛けた翼を、俺はシャワーを済ませて待つて居りました。

大浴場から帰つて来て、ベッドの上で、すつかりスタンバイオーケーな俺を見て、翼は呆れたやうな顔をしましたが、それでも片方のベッドに枕を二つ重ね、それに寄り掛かるやうに足を投げ出して座りました。
浴衣の裾から手を入れて下着に指を掛けると、翼は俯きながらも腰を浮かしてちゃんと協力してくれる。脱がされたい訳じゃなくて、手を突つ込まれてゐるのが耐へられないらしい。

何故、先に下着だけ脱がせるのかと言ふと、布地の上から、どこまで触つても下着に触れないのが、裸体を感じさせて良いんですよね。手を当ててゐる所から、体温が伝はつてくるのが気持ち良い。
俺は剥く時は下からなんだけど、浴衣は上からでも良いよね。

最近、翼に新しい男ができまして、スマホのロック画面から待ち受けから、全部その男なんですよね。これがまた、ガタイの良い金髪碧眼の色男で、俺もけつこう好みだつたりするんですよね。

エルヴィン・スミスつて言ふんですけどね、
その人。

体格差だとか、さう云ふのが良いらしいので、上から覆ひ被さつたり、俺の体の上に乗つけたり、押し潰したりと、色々してやりました。
手足を絡めてベッドに押さえつけると、何とか逃げ出さうと俺の体の下でもがくのが、凄く可愛いと言ふか、凄く興奮した。

「布団を敷きに来ないつて事は、夕飯の事とか、聞きに来るかもな。」

こちらへ顔を向けさせて言ふと、翼の体が強張る。

「あんまり暴れると、寝室の襖、開けるかもしれないな。」

俺が真面目な顔でさう言ふと、翼が首を上げて、足元の襖を見た。
例へそんな事になつても、声くらゐ掛けるだろ、普通。でも、さうやつて怯へる顔が、堪らない。
不安げに俺を見上げ、いやいやと揺れる小さな頤を掴んで、俺は晒された細い首筋に歯を立てた。翼の息が荒くなる。

「可愛いよ。」

俺の唇の動きを最後まで見ずに、翼は目を閉じた。俺を押し返さうとする、弱々しい翼の手を胸元に感じながら、俺はゆつくりと翼の腿を膝で割り開いた。
  1. 彼との事

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